なからなLife

geekに憧れと敬意を抱きながら、SE、ITコンサル、商品企画、事業企画、管理会計、総務・情シス、再び受託でDB屋さんと流浪する人のブログです。

お互い腹落ちするまで話し合う文化のない環境では、裏口コミュニケーションが発達する。


私自身、今の職場ではIP Messengerのヘビーユーザーになっているんですが、社内で、会話している人以外に内容を覗きこまれる恐れのないメッセンジャーを使うことが物理的に?*1許されている環境ですと、裏口というか、陰のコミュニケーションが簡単にできるわけですね。


で、フツーに働いている人は、お気軽なコミュニケーションツールとしてガンガン利用し始めるわけで、「会社のリソースは業務以外のことでの利用禁止」とか言われても、電子メールと違って拾われにくい分、本音も出やすくなります。


そのような環境で、何か上から指示が降ってきたときに、なんか疑問が残っていたり、仕事の内容に不満があったりすると、もう、メッセベースのコミュニケーションが際限なく続くわけです。近くにその「原因」がいたりすると、ひそひそ声すらできないわけで。もう、ダークフォースの増幅装置ですね。


息抜き程度につかうには、まあいいでしょう。一人で悶々としてストレスためてしまうくらいなら、多少なり共有してガス抜いて、ついでに一体感も醸成されたりなんかして。


でもね、こんなところでメリット拾う前に、よく考えなきゃいけない。
結局、表でちゃんと話し合うことができないから、そんなことしなきゃいけないんです。
納得いくまで質問できて、納得いくまで対応することが、日ごろからちゃんとできていれば、メッセで裏トークする必要なんかない。


理想論だと思う人が多いんじゃないかと思うけど、「納得いくまで話し合え、納得いくまで確認しろ」を実践していた場所にいたことありますよ。そこでは、納得するまで確認しないで上っ面で仕事してると激しくdisられたし。そもそも、その程度の理解度では上司が納得する提案書なんて作れなかった、というのも在りましたけど。


で、そんな環境では、IP Messengerやそれに類するメッセの利用率が恐ろしく低かった、というか、ほぼゼロでした。むしろ、メールすらせずにとにかく口頭ですぐ確認、って感じなので、記録が残ってなくて困ることもありました、ってくらいに。


人に説明する必要のある仕事、人に説明する必要のあるポジションに就いたら、「自分が納得してないものなんて、人に説明できるわけない」っていう感情を、一度は抱いたことがあるんじゃないかと思います。
その「気持ち悪い感」に素直になって、ちゃんと話し合えばいいのにね。


メッセが増幅する裏口コミュニケーション。


たぶんそれは、「タバコ部屋トーク」と呼ばれていたものの要素

  • いわゆる裏会話
  • タバコで始まる人脈

のウチの前者が、メッセという装置で電子化されただけだと思う。


タバコ部屋でしか言えないこと、タバコ部屋だからこそ聞き出せる本音、みたいなのがあって、それが仕事の上でもあたかも重要であるかのように語られるシーンもあるけど、タバコ部屋にしてもメッセにしても、表で話し合えてスッキリしてれば、裏で話を続ける必要ないからね。


みんなが同じ意識でコミュニケーションをとる環境だと、何の抵抗もなく話をしあえるんだけど、そうじゃない環境からスタートするのは、とってもハードルが高い。でも、最初はメッセ頼みでもいいから仲間増やして、表でバンバン意見ぶつけ合える環境に変えていきたいなと思い、「半径5mメソッド*2」を実践中です。

*1:インストール権限とか、フロア毎のN/W機器でのポートブロックやモニタリングなどなく、という意味で

*2:いきなり大きな変化を目指して壁にぶつかるのではなく、手に届く身近なところから、小さな変化を起こしていきましょうというもの