なからなLife

geekに憧れと敬意を抱きながら、SE、ITコンサル、商品企画、事業企画、管理会計、総務・情シス、再び受託でDB屋さんと流浪する人のブログです。

後輩とのコミュニケーションで気をつけていること

社会人になって15年近くなると、上も下も一回り違う世代とお仕事をするわけでして、色々な人と一緒に仕事をして、色々なコミュニケーションを重ねてきます。



世に云う、脂が乗ってくる、というやつでしょうか。



仕事を通じて努力の汗も、冷や汗も、脂の汗もたくさん流し、上の立場、下の立場、両方の経験を積んだ世代として見られるわけです。
身体のいろんな所にも脂がついてくるし。。。


そうした経験のなかから、「上司・先輩からの指導」「後輩・部下への指導」というコミュニケーションのなかでの気づき・反省を通じて、気をつけていることを整理したいとおもいます。



「〜しなきゃダメ/しなきゃいけない」という表現を使わない

結構いるんですよね。否定形から入る人。否定形ばかり使う人。
なんで、何かを「スル」方向に導くのに、最後に否定表現持ってくるんだろう。


「〜してください」「〜しましょう」の肯定表現と、内容は一緒なのに相手に与える印象がぜんぜん違うよね。




では、何かを「シナイ」方向に導くのなら、否定表現でよいか。
これは、シチュエーション次第だと思うけど、個人的には使わないかな。
明らかに「やっちまった系」で再発を強く禁じる場合は、「ダメ」って言うかもしれないけど、これも、よほどのことがない限り、「〜やめましょう」「〜しないようにしましょう」でよいよね。




否定的表現を受け取った相手には、否定的感情が芽生える。そう思います。自分がそうだから。



答えを直接言わないようにする、が、誘導尋問にはしない。

誘導尋問だって気づくと、そのあとに続く話が、すごくうざい。ものすごくうざい。




「誘導ではない形で、気づきを促す」
なんて、言葉にすれば短いけど、難しいなと思う所。


誘導尋問とは違うけど、淡々と話を続けていていきなり「さてこの次に来るものは?」とか、いきなり学校の先生モードになる人がちょっと上の世代に多いんだけど、あれもすげーイラっとするんですよね。





ここでのポイントは2つ。



分からないフリをする。あるいはホントにわかってない、ということを表現して、相手に説明してもらうこと。


「ごめんほんとにわかってないんだけどさ〜」とエクスキューズを入れて、

  • これって、こういう意味?(どういう意味?)
  • ここの条件って、ドキュメント(設計書、契約書、etc...)上、どう書いてある?
  • ここって、こういうケースもあったりしない?

という感じで話を進めていく。




相手に対して「担当者として任せている/詳細は誰よりも詳しい」という、リスペクトを示しながら会話すること。
同じ質問でもリスペクトがないのがわかると、「そんなもん、上に立っているオメーがちゃんと理解してろよ」って感情が芽生える。そう思います。自分がそうだから。



聞きだした情報は、紙に書いて整理する。

箇条書きでもよいけど、できれば図解で。マトリックス、ツリー、フロー、その他表現方法はイロイロあるよね。




聞いている自分自身のため、そして、しゃべっている相手自身のために、話の内容を整理する。
むしろ、整理役に徹する位の姿勢で、とにかく聞く。




マトリックスを使えば、組み合わせパターンがわかり、そこからパターンの考慮漏れが浮かび上がる。
フローを使えば、時系列の関係性がわかり、そこから手順の考慮もれが浮かび上がる。
ツリーを使えば、ロジックの構造がわかり、レベル感の不整合や論理の飛躍が浮かび上がる。


こうやっていくと、こちらが語らずとも、しゃべっている相手が気づくことが多くなります。


アウトプットすることで、それがたとえ図解で上手に表現できなくても、こちらが何を理解できていて、何を理解できていないか、整理して説明し直せるレベルになっていないかを、話している相手も知ることができます。
こちらがどこの理解に苦しんでいるか、あるいは後輩自身として何がうまく説明できていないか、という観点を持つことができます。



ロジカルシンキングを勉強するとかならず出てくるこれらのツールは、自分が話す内容を整理するためだけにあるわけじゃないんだよね。
図解のテクニックは、パワポのためだけにあるわけじゃないんだよね。




地頭のいい人達は、これを頭の中だけ図を描いてロジカルに突っ込んでくるけど、自分にはそれができないから。
また、そのアタマの中の図を共有してくれないと、話している相手はもっとわかんないから。自分がそうだから。


なので、人とコミュニケーションをとるときは、なるべく「見える場所に書き出しながら」を意識しています。




色々な考え方があるけれど

このようなスタンスでは生ぬるいと感じる人もいるでしょう。
相手の気づきを引き出そうにも、引き出しの中が空っぽで、何も出てこないし、というイラつく人もいるでしょう。


知識も経験も生きてきた背景も違うのだから、考えが違って当たり前の人間同士のコミュニケーション。
話をあわせていかないことには、話し合いにならない。
合わせにいけるだけの力量がある方が合わせに行かないと、いつまでたっても平行線だよね。


「なんのために、そのコミュニケーションが発生しているか」を考えれば、自ずと次にとるべき行動は出てくるはずです。