なからなLife

geekに憧れと敬意を抱きながら、SE、ITコンサル、商品企画、事業企画、管理会計、総務・情シス、再び受託でDB屋さんと流浪する人のブログです。

上の人、下の人


上の人が下の人の資料を見て、フィードバック(忠告・指導)する。
「書いてあること以上の話が混じってるんだけど。推測を挟むな。」

こんなフィードバックを受けた下の人が、
上の人の書いた文面を、事実として書かれた文字の通りに理解して、そこにツッコミ入れると、キレられる。
「そんなことを言おうとしているわけではない。」(=行間を読め)


似たようなケースで

  • 上の人が下の人に〜して欲しいと頼む。
  • 下の人が上の人に依頼内容の結果を渡すと、期待しているものと違う、と言われる。
  • 上の人は、自分の発言を「(文脈から)こう理解しろ」と下の人に期待し、ハイレベル(曖昧・具体化してない)な表現で語る。
  • 下の人は、同じことをすると、「具体的でない」といわれる。
  • 下の人は、同じことをすると、本来の意図と違った解釈をされたうえで、けなされる。
  • 下の人は、同じことをすると、論理的な細かな指摘により、やっつけられる。

なんなんだろう。このコミュニケーションの取れなさは。


よく考えてみよう。現実社会は歪んでいるケースも多々あるが、本来的には、

  • 上の人は、下の人よりも上だから、上の人なのだ。
  • 下の人は、上の人よりも下だから、下の人なのだ。

上の人自身が、「オレはお前より上なのだ」という自覚があるなら、なおさら意識しなきゃいけない。


そこに発生しているコミュニケーションの目的が「相互理解」の上に成り立つものであるなら、
上の人が下に下りてくるしかないだろう。
下が上にあわせろ、というのは、かなり困難なことだ。


上の人は、柔軟性、対応力なども含めた能力があるという前提において、上にいるのだ。
下の人は、上と同じ能力がないから下なのだ。同じ能力があるなら、同じように上にいるはずだ。

さらには、
上の人は昔は下だったのだから、下のことが理解できるはずだが、
下の人は上に行ってないから下なのだ。


だから、歩み寄ることができるのは、上の人なんだ。

それができないなら、そこにある関係は、上下関係じゃない。横の関係だ。
それぞれが受け持つ仕事の違いは、ロール(役割)の違いでしかない。



一歩上に上がれるように、下の人を鍛えている?


そうですか。
じゃあ、今そこで険悪になりつつあるコミュニケーションの、
そもそも本来の目的、優先されるべきことは、
相互理解による「成果の創出」と「鍛錬」のどちらですか?



先輩・後輩という関係でも、
リーダー・メンバーという関係でも、
発注者・受注者という関係でも、
ずっと意識しつづけていること。


それは
「自分じゃできない(時間・コスト・スキル・その他諸事情)からこそ、
その相手にやってもらっているのだ。」という事実。


そこにあるのは上下関係じゃない。
エラい・エラくないの関係じゃない。
互いに認め、敬い、信頼することを、忘れてないか。


そんなギクシャクした関係から、まともなものが生まれるか?
というのは飛躍しすぎかな。
でも、相手にとって気分よくできる環境であるほうが、生産性も品質も高まることは
多くの人が語っている通りでしょう。