モノサシを変える生き方(2)・・・どう変えるのか
さて、前回の続きです。
前回の最後に、
違うモノサシで測り直すと、自分の価値が変わる。
これは営業的な話でも出てきますが、価値を決めるのは客、つまり、それを必要とする人です。
「所詮、レベル下げただけだろ」という批判を受けるコトもあるかとは思いますが、
自分を高く評価してくれるモノサシで測り直す、という戦略もアリだと思います。
と結びましたが、ただしここで、「目先の給与を追うか、将来的に大きな報酬を得る可能性を追うか」という二元論で語ってはいけないと思います。
物事は四象限(2×2)以上のマトリクスでモノを考えましょうね。
ここでは、報酬面の他に、
「どういうスタイルが自分に合っているか」というところがポイントです。
「どういうスタイルだと、パフォーマンスがより出しやすいか」
「どういうスタイルだと、能力を高めやすいか」
には、個人差があると思います。
常にプレッシャーの中に身を置いていることが楽しいタイプは、どんなに評価されてもユルい環境では長続きしないでしょう。
すこしゆとりを持てればイロイロなアイディアが出てくるのに、過剰なプレッシャーに押しつぶされて能力が潜在したままになってしまう人もいるでしょう。
その中間で、なんとか食いついていけるけど、常に余裕がなく、他の人とも成長度合いが変わらないので相対的な評価・ポジションも変わらない、という人もいるでしょう。
私はコンサルの世界に一時的に身をおき、そっち世界のモノサシでは、完全に負け組でした。
仕事ですら平均以下でしたから、仕事以外に自分を磨くための余力などなく、まさに負け戦です。
そして、それを覆す展望も見えませんでした。
で、負けを負けと認めました。その道を離れれば落伍者のレッテルを張られるのは已む無しとしました。
その一方で、それでも身につけたモノを活かせそうな別の道を模索しました。
つまり、コンサル経験者の流入の少ない&コンサル利用慣れしてない事業会社です。
効果はありました。
成長の遅い下っ端コンサルトはいえ、揉まれて得たものは大きかったです。
新しい環境では、同じ仕事をするのに同僚の何割かの労力でこなせたりするわけです。
もちろん、その会社での同僚はその業務のスペシャリストな領域も持っていますし、尊敬しています。
イロイロな仕事をやる中でのトータルで、同じだけの評価を得るために必要な労力という観点で見ると、かなり少ない労力で達成できています。
そして、そこで得た余裕の何割をナニに使うかをコントロールすることができます。
生産性の高さをそのまま100%出しきって突出したパフォーマンスを見せて数字を揚げるアプローチ。
平均以上だけど突出しない程度にとどめ、残りの時間と労力を、別のスキルを磨くために投資するアプローチ。
選択肢をもてる、という時点で、厳しい環境に身を置いてパツパツになっている時代とはぜんぜん状況が異なるわけです。
余裕があれば、いろんなアプローチを思いつくし、それを冷静に分析して選択することができるようになるのです。