なからなLife

geekに憧れと敬意を抱きながら、SE、ITコンサル、商品企画、事業企画、管理会計、総務・情シス、再び受託でDB屋さんと流浪する人のブログです。

「行き詰まったら小さな成功体験を」のもう1つのアプローチ

最近、新しいことに挑戦しているのですが、なかなかうまくいかずに苦戦しています。

いろいろあって、気力体力ともにいろいろと以前のようにはいかないというのは分かっていながらも、もどかしいというか、情けないというか、モヤモヤした気持ちを持て余したりすることが増えました。

そういうときに使う、自分なりの乗り越え方がいくつかあり

諦めがつくまでやる
気分転換に違うことをする
誰かに弱音を吐いて慰めてもらう
という感じなのですが、最近はここに「完成したことが目に見えやすいものをやる」というのを加えました。

インターネットの備忘録

というはせさんのエントリを読んで、ちょうど私も似たような境遇にあり、それに関する本を読んでいたので、触れておきたいとおもいます。


アプレンティスシップ・パターン ―徒弟制度に学ぶ熟練技術者の技と心得 (THEORY/IN/PRACTICE)

アプレンティスシップ・パターン ―徒弟制度に学ぶ熟練技術者の技と心得 (THEORY/IN/PRACTICE)


アプレンティスシップとは「徒弟制度」のことで、この徒弟制度をモデルとし、ソフトウェア職人を目指すためのパターンを整理した本です。


ただし技術的な問題の解決ではなく、意識・意欲や心得に関するテーマを取り扱っているので、エンジニアじゃない人でも参考になるところが多数ありました。


私は最近、それまで積んできたプロジェクトベースで仕事を進めていくキャリア*1から一線を画し、ルーチンで数字を追いかけ分析する職種に移り、何もかもが初めてという状況に置かれています。
まさに、「アプレンティス(徒弟)」な状態で、新しい壁にぶつかり、仕事そのものの難しさとともに、へこたれそうになる自分の心の管理の難しさとも付き合っていく必要があります。


そんななかで出会ったたくさんの言葉のなかでこの言葉が特にひっかかりました。

得意領域へ撤退(Retreat into Competence)

現在とか、未来とか、そのどちらに目を向けてもまったく意味がない。
しかし逆に過去に過去を振り返ってみるとあるパターンが見えてくる。
そこでそのパターンから抜けだしてみれば、時には何にか辿りつけることがある。
(Robert Rirsig、Zen and the Art of Motorcycle Maintenance「禅とオートバイ修理技術」)

状況

自分がほとんど何も知らないことを認識し始めています。新たな挑戦を試みたけれど上手くいっていません。あるいは、その両方です。

問題

自分の無知が非常に広範囲であることに直面して、あなたは打ちのめされています。
アプレンティスシップ・パターン ―徒弟制度に学ぶ熟練技術者の技と心得 (THEORY/IN/PRACTICE)


よう俺www



で、この本が示す解決方法は、このような内容です。

解決方法

カタパルト*2から投げられる石のように、一度撤退してから前に進んでください 。
(前進するために、一度強く後ろに引く必要があるという意味です。)


平静を取り戻すためにあなたの得意領域へ撤退してください。構築方法を知っていることの構築に時間をかけてください。
それから、あなたがどれだけの道のりを歩んできて、どれだけできるかを認識するためにその経験を使用してください。
アプレンティスシップ・パターン ―徒弟制度に学ぶ熟練技術者の技と心得 (THEORY/IN/PRACTICE)


私の場合だと、上級者かどうかはともかくとしてプログラム書いたりクエリ組んだりして、単純作業の効率化をするのが好きです。


難しい分析作業にぶつかったとき、その大きなゴールの手前の作業、つまり生データをかき集めてきて、分析に入れるレベルに集計、整理するといった部分の自動化あたりの、得意領域の作業を組み込む。
分析といっても、将来の予測と、過去実績における異常値の原因特定とに分かれ、後者については、「一定の閾値を超えたら」というものも条件式でアラートを上げさせることもできたりするわけですので、
そういった、自分が心地よく作業できるものに取り組んで意欲を回復させて、それから次の新しい壁に立ち向かう、なんてことをやってたりします。


はせさんのエントリのアプローチは

大きな目標の手前に小さな目標を作って、昇るべき階段の高さを低くする、という感じです。
インターネットの備忘録


であり、「小さくても前に進む」ことであり、ここでとりあげたパターンのほうは、「数歩引いて助走をつける」イメージです。

時には、2 歩進むために 1 歩戻る必要があります。
そうした時に、その戻った 1 歩を、素早く前進する力にすることが重要です。
その前進する力は、昨日まであなたが持っていた知識やスキルよりも、より多くを携えた1歩として現れます。
アプレンティスシップ・パターン ―徒弟制度に学ぶ熟練技術者の技と心得 (THEORY/IN/PRACTICE)


私も、新しいことに挑戦してうまくいかないとき、このことを思い出していきたいと思います。

*1:受託のエンジニア→コンサル→社内でプロジェクトベースで進めるシステム企画

*2:カタパルト投石機。http://goo.gl/BFh5E