なからなLife

geekに憧れと敬意を抱きながら、SE、ITコンサル、商品企画、事業企画、管理会計、総務・情シス、再び受託でDB屋さんと流浪する人のブログです。

ClickHouse Certified Developer Exam合格した

ClickHouseって何?

一言で言うと、DWH/データ基盤といった大規模データ分析向けの列指向RDBMSです。
https://clickhouse.com/ja



DB-ENGINESのランキングは2026年8月時点で26位、着々と伸びてきていますね。
https://db-engines.com/en/ranking_trend
海外ではTeslaやAnthoropicが導入しており、2025年11月に日本法人も設立されて、いろんなイベントでスポンサーセッションやブースを見かけるようになるなど、日本市場開拓を強化しているところかと思います。
今年自分が参加したイベントだけでも、AWS Summitとデブサミ夏のスポンサーセッションやってるの見てますし。
中の人のものらしきブログでの発信も増えてきてますね。
某社からの人の流入も。


触ってみた感触としては、
・大規模分析用DBだけど「MySQLみ」がある
 ・SHOW CREATE TABLE文
 ・テーブルに「ENGINE」(MySQLではストレージエンジンだが、ClickHouseではテーブルエンジンと呼ぶ)があり、特性に合わせて使い分け
・うたい文句通り、高速。
・「マテリアライズドビュー」が独特。
という印象です。


元々OSS/オンプレ版がありつつ独自のクラウド・マネージド版も提供されているという点ではElasticserchっぽさがあるし、クラウド版はAWS、Google、Azureが使える上にマネージドPostgreSQLも提供しているという点ではSnowflakeっぽさもありますね。

試験の概要

clickhouse.com

これです。
受験対策をする際には、このページをとにかくじっくり読みましょう。

「Watch the Webinar」とされている動画は、英語ですが、絶対見ておくべきです。(これ、早めに日本語化して欲しい。。。)


実際の試験用の画面を操作しながら、サンプルの問題に対する回答を進める方法が解説されています。
これを見ずに受験していたら、たぶんパニックに陥っていたと思います。他の試験とかなりやり方が違うので。


という具合に、かなり特徴的な試験で、
・英語版しか提供されていないけど、翻訳ツール/翻訳サイトの利用が可能。
・Web試験。テストセンターなし。カメラ必須だが、監督官が付くわけではなく録画しておいてAIで分析か?おかげで「監督官の枠の不足」というのがなく、申し込み後1年間はいつでも受験可。
・2時間で10~12問。(よくあるテストは50~100問で4~6の選択肢から選ぶクイズ形式だが、そういった問題は1問も出ない)
・課題が出されて、WASM?で用意されたLinux/ClickHouseの環境に実際にコマンドを打ち込む。問題によっては、そのSQLの実行結果をファイルに保存。
・試験中にClickHouseの公式ドキュメントページ参照可。しかも、このページには生成AIチャット機能が提供されていて、試験中にこれを使ってよい。
・合否判定は5営業日程度かかる。その場では全く分からない&メールでも合否しかわからず、スコアやカテゴリ別正答率などは提供されない。
といった特徴があります。


正直、公式ドキュメントページのAIにかなり頼りました。

試験対策

Udemyに、
Practice tests for ClickHouse Certified Developer

こういうのとか、試験対策を謳った教材が販売されていますが、出題形式が前述の通りですので、全く別世界です。知識の確認程度にしか役立ちません。
たまたまセールやってたので購入してみていくつか解いてみて、それはそれで初めて知る知識とかもあったので、得る物はあったとは思ってます。
試験には直接は役に立たないですが。


出題内容は試験概要ページにしっかり書いてありますが、特に「Real-time Analytics」というトレーニングの内容を網羅しておけば対応できます。
clickhouse.com

にあるとおり、オンデマンド(セルフラーニング)とオンサイトトレーニングがあります。
先日、虎ノ門ヒルズで開催されたオンサイトの無償トレーニング(Real-time Analytics レベル1)を受講したことが、この試験を受けるきっかけとなりました。
今後、レベル2、レベル3の開催が予定されていますが、Clickhouse Achademyというオンラインのセルフラーニングコンテンツでも同じ内容のものが公開されており、スライドについては日本語化もされています。


このセルフラーニングコンテンツを3回くらい回して、どんな課題にはどんな対応をするべきかをおおよそ頭に叩き込んでから試験に望みました。


実際の試験はClickHouse Cloudではなく、Web UIのSQL実行環境でもないCLI版での操作になりますので、ClickHouseを手元にインストールして、clickhouse-clientというCLIでの操作に慣れておくのが良いと思います。
CLIクライアントはマルチラインモードとシングルラインモードが利用でき、試験環境でも両方使えますので、それぞれのモードでの操作を体験しておいて、どちらでやるか決めておくのもよいでしょう。


つらかったこと

「翻訳ツール/翻訳サイト利用可」となっているものの、問題文はテキスト選択/コピーができない仕様になっていたところです。

Chromeの「日本語に翻訳」でページごと日本語変換して対応しましたが、これで日本語表示に切り替えていると、回答のためのLinux/ClickHouse操作画面側も翻訳されてしまうのです。。。
なので、日本語にしたり英語にしたり、がちゃがちゃ切り替えながら回答するのが地味につらかった。。。


また、S3上にあるファイルを取り込む必要のある課題があるのですが、S3のURLってドチャクソ長いんですよね。それを「問題文からコピペできない」ので、目で見て手で打ちこむ必要があるのが、地味にツライ。
さすがにそれくらいは許して欲しい。。。

画面が小さい

「外部モニタ不可」らしく(外部モニタは検出されます、としか書いてないけど)、クラムシェルモードだったらどうだったのだろうとか考えましたが、いちいち問い合わせるのも面倒だったので、14インチノートPCで受験しました。
普段32インチ4Kに2K相当ウインドウ4枚展開で作業をしていることが多いので、表示領域の狭さと、ドキュメント参照しながら回答するにあたっての切り替えが非常につらかったです。


試験できる環境の確保がつらい

この試験に限らず、受験者自身のPCを使って回答するタイプの試験は、PCカメラで監視されるタイプが多いのですが、やはり「余計なものが写り込まない、整った環境」を確保するのが難しいですね。
会社の会議室を確保して閉じこもりました。


個人的には、テストセンターで受験できる方がありがたい。

よかったこと

この形式(クイズではなく、課題を解く+公式ドキュメント+公式AIチャット利用可能)の試験形式、アリだと思いました。
「対策問題集をひたすら解いて覚える」という暗記能力を測るのではなく、課題に適した手段を選択できるだけの基礎知識をもって、あとは実務と同様のアプローチで対応できればOK、っていう。


RDBMSを扱いなれている人が、さらっとトレーニング資料を眺めて、他の製品との違い、特徴を把握して、ってやれば、かなり短時間で合格できると思いますし、試験ってそんなもんでいいとすら思います。


他の試験と形式が違い過ぎて直接比較するのはアレだと思いますが、この試験自体の難易度としては、それほど「難しくない」ですね。
試験範囲が「Real-time Analytics」トレーニングの知識領域の中の一部に限定されているから、っていう要素も大きいと思います。


これが、レプリケーションやクラスタリング、Kafka連携やClickHouse Pipes、k8s上での構築運用のオペレーションまで問われるような課題が含まれる試験だったら。。。
現時点ではClickHouseの認定試験は「ClickHouse Certified Developer Exam」の1本しかありませんが、将来、高難易度の試験が出てくるとしたら、そういった領域が含まれてくるんですかね。同形式で試験する環境の提供が難しそうですが。
そして、今後はマネージド中心になっていくと思うので、「足回り」の知識よりも、用意された環境の上で適切に、上手に活用するための知識が問われていく時代でしょう。


この試験、1回200 USDと、そこそこいいお値段しますが、最近は他の試験もそれくらいしますし、「n年後の資格更新が無い」のは良心的ですね。
機能改善は続けるけど、試験範囲はClickHouseの根幹となるところにかなりフォーカスされているし、そこは変わらないぞ、ってことなのかな。


最後に、関連書籍の紹介も

日本語でClickHouseの商業流通している書籍は現時点では見当たらず、Amazon Kindle&オンデマンドペーパーバック版でこちらの本が先日出てきたばかりのようですね。

受験後、この記事をアップする前に存在を知り、すぐに購入してざっと内容を見てみました。
試験対策として必須ということはないですし、試験範囲に含まれているはずの「Projections」の解説がなかったりもするので、先に紹介したClickhouse AchademyのReal-time Analytics 1~3を回せば十分ですが、この本はこの本で、PostgreSQLと逐一比較しながら解説していますし、8章以降は試験の範囲の外の話が盛り込まれているので、試験対策というよりは実務に向けた読み物として役に立つ内容だと思います。


なお、サンプルコードは豊富ですが、図解がないです。ひたすらテキストです。
そういう意味でも、入門~試験対策の段階では、ClickHouse Achademy側を優先することをお勧めします。


そんなわけで、生存報告も兼ねた久々のブログ更新でした。


年頭所感の記事書いたころには触れることを想定をしていなかった「ClickHouse」という製品・サービスに、「Databricksより心理的ハードルが低く、SnowflakeよりはDB屋/技術屋として触る面白みがある」という印象を抱いているので、「お仕事」としてどこまで伸びるか分かりませんが、しばらく追いかけてみようと思います。