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なからなLife

geekに憧れと敬意を抱きながら、SE、ITコンサル、商品企画、事業企画、管理会計、総務・情シス、再び受託でDB屋さんと流浪する人のブログです。

Microsoft Officeライセンス管理、その厄介なるもの - 中小事業所のオフィスインフラを考える

Officeのライセンスは、どんなオフィスにおいても解放されない永遠の課題。



突っ走っているところだと、LibreOfficeOpenOfficeにするところ、もっと突っ走っているところなんかだと、社内を全台Macにして、社内はApple無償提供のPages(≒Word)、Numbers(≒Excel)、Keynote(≒PowerPoint)で済ませるなんて事例もあるようですが、一連のテーマで扱っているのは「専任情シスすら置けないレベルの非IT系事業所」なので、これらで全部まかなうのは厳しいということが想像がつきます。


家庭用では一般的な「OfficeプリインストールPC」を購入しているところもあるかもしれませんが、一般的にはPCはPC、OfficeはOfficeで別途購入しているかと思います。

これが、めんどくさい。
バージョン管理もめんどくさい、ココ数回のバージョンアップではUIも結構変わったし、インストールプロセスも違う。なにせ2013はダウンロードサイトからのインストールが必須で、しかもそのアクセスするのにマイクロソフトアカウント作る必要があって、、、、。


発狂しそう。


説明めんどくさい。今から揃えるなら、素直にOffice365で。

Office365は、月額課金制で、1人1ヶ月いくら、で利用権を持つ契約です。

なんでコレを薦めるかという説明を、他の選択肢と比較してロジカルに隙のない説明をするのは非常に困難なのですが、そういうのをぶっ飛ばして一言で言うと「とにかく楽だから」です。

Office365の何が楽なの?

念のため、執筆時点で提供されているもののうち、「Office365 Business」を前提に話をします。
Office 365 のすべての一般法人向けプランを比較する

常に最新版を提供

社内でOfficeのバージョンがバラバラ、っていう会社、よく見かけます。
購入時期、インストールの時期によって、その時手に入るものを手に入れ、バージョンアップは優待こそあれ「買い直し」です。しかたない話ですが、バージョンの違いで保存形式が変わったりUIが変わったりして、だいぶ混乱しました。

Office365の場合、常に最新バージョンしか提供しませんし、契約を続けている間は無償提供ですから、こういった混乱は少なくすることができます。

課金単位が「端末」ではなく「人分/月」

何人分契約しておきます、そこから誰に割り当てます、という管理。
PCが何台あるかわからない、インストールしたものの、古くなって交換した後どこかで眠っている、とかあっても困らない。
とにかく、在籍者数あればいいのです。

1人5台までインストール可!

業務でやむなく複数台利用する人も出てきますが、こうしたケースでも「1人」として契約して課金されることになります。

パッケージ版、端末ごと1つ必要、という体系しかなかった時代に比べて、なにこれ太っ腹、という感じです。


正確に言うと、1人あたり、5台のWindowsPCまたはMac、5台のタブレット、5台のスマホで計15台までOKです。
WindowsRTじゃないSurfaceをドコに含むのかは知りません。


1人複数デバイスを、Office365のサイトに利用者自身でサインインしてインストール可能という特徴を逆手に?取って、「福利厚生の一環として、私物(自宅等の)PCに入れていいよ」としている企業もあるみたいです。


企業側から貸与するものが1人5台を超えるとか、まず無いですから、余らせてしまうわけです。
ならば、自宅で使ってもらってもいいんじゃないか、という発想です。
この制度を導入している企業が、「家に持ち帰って仕事しろ」と言っているわけではないと切に願います。




Windows版とMac版で同じ契約

小さいながらも社内にMacがある会社のシステムを管理する立場からすると、これは地味ながら非常にありがたいです。

前述のとおり最新版提供で、WindowsMacを合わせて1人5台までインストール可。
最新のMac版Officeは、Windows版とのデータ互換性もかなり高くなってますし。

落とし穴:インストールには、「利用者本人のアカウント」が必要。

これはOffice365というよりは、Microsoftが不正ライセンス(メディア1つで複数台にインストール)への対策として推し進めてきて、パッケージ版Office2013でも必須と鳴っている「ダウンロード・インストール化」の弊害なのですが、「マイクロソフトアカウント」が必須になっています。

で、利用者本人のアカウントを作り、Microsoft Onlineのサイトでサインインして、ダウンロードしてインストールをするわけです。

誰かが入社してくるためのセットアップであれば、情シスでアカウント発行して、その手元にあるパスワードでサインインして進めるのでいいのです。
しかし、PC故障など交換のためのセットアップの場合、アカウントとパスワードは利用者本人に渡してあり、パスワードは変更してもらっているはずですので、その人のためのライセンスを利用したダウンロードためのサインインができない!ってことになります。


ここの運用をどうするか、考えなくてはいけません。
所詮会社支給のもの、見られてまずい情報はない、ってことで、マイクロソフトアカウントのパスワードは情シスで管理(知っている状態)にしてしまう、っていう方法も、なくはないです。

ただし、Office365 Business Premiumでメールサーバー(ExchangeOnline)も使っているとなると、同じアカウントで管理しますから、管理者側がパスワードを知っている状態だと、メールがいつでも覗き放題になります。(自社でメールサーバー立てている会社ならログ見れば全部はわかる、ってのもありますが)

さらに、同Premiumで提供されるSharepoint Onlineを使ってドキュメント管理をしていた場合、セキュリティ設計に基づいてアクセス権を限定している重要なデータ(個人情報とか!マイナンバーデータとか!)が、管理者に筒抜けになります。

マイナンバー(特定個人情報)は、「システム管理者ですらアクセス権を持たない」ことがガイドラインで出されているらしいので、これはアウトです。


そんな感じなので、交換用のPCを用意したら、「Officeは自分で入れてね☆(ゝω・)vキャピ」って話になります。


「ソフトウェアのダウンロードとインストールくらい、まあ出来るでしょ」って話ではあるのですが、今度はメーラーにOffice365で提供されるOutlookを使う場合、その設定も利用者本人にお願いすることになります。


「全体的にITリテラシ高くない、そして情シスすら専任置けない」みたいなところから、色々楽をするためにOffice365を選択した結果、メールサーバーへの接続設定まで利用者本人にやらさせることになってぶーぶー言われる、みたいな展開になります。
(それくらい普通にできて欲しいんですが、って言葉を飲み込む)

Office365が向かない事業

交替勤務制などで、従業員数>端末台数の乖離が大きなところ。
こうしたところでは、端末ライセンスでの購入が適切です。


Office365 のその他のプランについて

やっぱりコロコロ変わっているので、まともに語れないのですが、Microsoftとしては本気でこっち(Office365ー月額課金型ライセンス提供)にシフトしているので、そのうち落ち着くんじゃないかと思います。

で、その他のプランとして一旦考えておくべきことなど。

Office 365 Solo

家庭用です。法人向けに家庭用プランを利用するのはやめましょう。
Office365 Solo自体を使っているわけではないので一般論ですが、
個人用はたとえ価格が安価で魅力的に映ったとしても、構成される製品が違ったり、管理機能周りが抜けていたりして管理コストが上がったり、という問題がありがちです。
なにより「ライセンス条項」に引っかかります。

個人利用のPC用に契約する分には、わるくないんじゃないでしょうかね。

Office 365 Business Essentials

Officeスイートが含まれていません。OfficeOnline(Webブラウザ上で動く機能制限版Office)が使えます。
ですが、このOfficeOnline自体はそもそも無償提供されているものだったりしますし、機能は限定されていますし、Excelの関数の挙動が微妙に違ったり*1するので、これで業務を回そう、ってのは、まだまだかなり怖い判断と言っていいと思います。

じゃあこのプランの存在価値はなにか、というと、メールサーバー(ExchangeOnline+Outlook Web Access)です。
あと、SharePointOnlineやSkype for Business(旧称Lync)といったもののクラウド提供。
Google Apps for Work(旧称Google Apps for Business)と同じ、と思って貰えればほぼ間違いないでしょう。

Officeスイートとしてのライセンスはすでに整備してあるけど、メールサーバーを自分で運用しきれないよ、っていう事業所向けでしょう。

Office 365 Business Premium

これまで語ってきたOffice 365 Businessのオフィススイート製品に加え、前述のEssentialsで提供されるサーバー系サービスを組み合わせたものです。


ここまでが「300人以下向け」、と言われているプランで、規模不問の3プランが用意されていますが、やはりこの連載テーマが小規模向けってことで、割愛します。

1つ引っかかるのは、コンプライアンス系の機能が、最上位プランであるOffice 365 Enterprise E3でしか提供されていないことです。
「電子メールとファイルの訴訟ホールド、権利管理、およびデータ損失防止」という、上場を考えている企業であれば気になるキーワードがはいってますので、該当する場合は詳細を確認することをお勧めいたします。

紳士協定は、紳士的振る舞いで

ここまでOffice365の話を中心にしていましたが、市販パッケージの最新版であるOffice2013にも「2PCs」というものが存在します。

これは、その名の通り「2台のPC」にインストール可能なプロダクトキーが購入できるバージョンなのですが、その制約として「同一利用者」という制限があります。


月額制ではない買い切りのライセンスで、サーバー利用に関係なくOfficeソフトとして利用するだけの目的の場合、「管理者用メールアドレスでマイクロソフトアカウントを登録し、別々に使う2人のための2台のPCに入れてしまう」ということもできてしまいますが、これはアウトです。


本来「端末ライセンス」なのですが、この2PCsについてのみ、「ユーザー単位」なのです。

なお、パッケージ版購入の場合は、「ボリュームライセンス」を検討する事になりますが、こちらは完全に「端末ライセンス」の考え方です。

技術的な穴かもしれませんが、別々の利用者向けに2台インストールするのは立派な規約違反にあたりますので、そこは紳士的に。
Office365の場合も、管理者用メールアカウントで1アカウントあたり5台のPCに


なお、余談ですが、2PCsのパッケージの場合、1つのマイクロソフトアカウントに、2PCsのライセンスを2つ以上紐付けた場合、ダウンロードサイト上の管理画面で、その2件のライセンスの識別ができず、どちらで何台インストールしたかも把握できません。(2014年末あたりまでの記憶)
Office365のサイトでは、そのマイクロソフトアカウントで、どの端末にインストールしたか、画面上から判断し、ヒモ付を解除することもできます。

購入経路

パッケージは店頭やECサイトで購入可能です。
端末ライセンスのボリュームライセンスについては、Microsoftの認定パートナー(代理店)を通しましょう。Microsoftのサイトからも探すことができます。

Office365は、Microsoftとの直接契約、代理店経由のどちらも選ぶことができます。
どっちがいいんでしょうね。これについては実はあまりよくわかっていないです。
代理店経由の場合、せっかくなので代理店自身がサポート力があるところを使うのがいいと思います。


まとめ

  • 今からOfficeを調達するなら、ユーザー数単位で契約する月額課金制のOffice365がおすすめ
  • Office365にもプランが複数あるので、その特徴を見極めて適切なものを。
  • 「ユーザーあたり何台まで」でのライセンスは、1つの契約で複数人が利用する複数台のPCにインストールしてはいけません


できる Office 365 Business/Enterprise対応 2015年度版(無料電話サポート付き) (できるシリーズ)

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[追記]関連記事がありました

pc.nikkeibp.co.jp
Office365に関する管理業務も社内情シス的業務なので「情シスは要らない」じゃなくて「仙人情シスじゃなくても管理できる」くらいのレベルだとは思っていますが、記事内容は「まさにコレ」って感じです。

個人的には「SkyDrive for Business(という名のSharePointの一部機能)」と「Skype for Business(という名の旧Lync」は、何じゃこりゃーって思ってますが。

*1:LenBなどByte処理系関数。最近検証してません