このエントリから。
このエントリ全体がかなり面白いが、その中でも
6、さまざまな価値観の人間がいる(採用)
「価値観の違う人と仕事をすると価値観が広がる」とかよくいいますがベンチャーの内部でそれをやるのははっきりいって無意味です。
価値観の合わない人とすり合わせに時間を使っているようではベンチャーのスピードではなくなってしまいますので合わない人(特に経営者のマインドに合わない人)はお互いにしんどいだけなので採用すべきではないです。価値観の違う人は他社と取引するときに意識すればそれで十分です。お金のやり取りなだけにこちらのほうがお互いシビアですw
という記述があり、反応してしまった。
時間的余裕がない、「スピード命」の会社の求める「効率性」として、かなり本質を突いていると思う。
「価値観が近い人を採る」というのは、とても難しい。
誰一人として同じ人間はいないから、絶対何かしら価値観の相違がある。
そこで、ここだけは、という確固たる基準を設けておく、というのが必要でしょう。
# 結果として、価値観が合いそうな人=(先行者の価値観に)あわせてくれそうな人=柔軟性を示した人
を採用しているだけだったりもする。
このエントリで言うところの
特に経営者のマインドに合わない人
というのは、括弧書きながら、かなりツボを得ていると思います。
ただ、ここにある
価値観の違う人は他社と取引するときに意識すればそれで十分です。お金のやり取りなだけにこちらのほうがお互いシビアですw
は、そううまくはいかないのではないかと、個人的には思います。
価値観があまりに近い集団を形成すると、普段から多様性に対する意識が少ないので、
- 価値観が違うことに対する免疫が下がる。
- 自分たちのレベルでも、「価値観の多様性を受け入れている」と思い込んでしまう。
という副作用が、大概の人には現れます。
そういった資質まで見抜いて採用するのは至難の業でしょうし、
それの奥義を会得していたとして、必要な人数を確保するのもまた難しいでしょう。
そして、ベンチャーの粋を抜け出そうとするとき、その副作用は顕在化するでしょう。
例としては、
- 人が増加に比例して、多様性は否応なしに増加するが、免疫がないので対処できず、「最近の〜」論が増える。
- 古株メンバーの価値観、カルチャーが宗教化、神聖化し、聖域となるため、改善機運が生まれない。
- 従来の価値観に対するアンチを徹底的に排除する、原理主義が発生する。
こんなところでしょうか。
このエントリにこんな風に反応してしまうのも、
自分自身が、スピードと引き換えに多様性を犠牲にしてきた組織における異分子(被害妄想?)だからかな。