なからなLife

geekに憧れと敬意を抱きながら、SE、ITコンサル、商品企画、事業企画、管理会計、総務・情シス、再び受託でDB屋さんと流浪する人のブログです。

「PLANNING HACKS!」

今更といっては何ですが、原尻淳一、小山龍介両氏によるHACKSシリーズを読んでます。
で、取っ掛かりは「PLANNING HACKS」です。


SI やコンサルの仕事を離れ、企画系の部署にいるんですが、「ゼロから企画して形にする」というよりは、「どっかからふって沸いた企画のタネを、システム・業務・運用の観点で要件定義書に近い形で企画としてまとめあげる」という仕事ばかりなんです。で、もっと企画部門らしく自分達からも企画をあげていかないと、と思ったのが「PLANNING HACKS」を手にとったきっかけですね。*1


で、HACKS系が意外と読みやすかったし、いまやAmazonマーケットプレイスでかなりお安く手に入るので、他のHACKS系も
発注してしまいました状態です。


せっかくなので、レバレッジリーディングか何かに載ってた、「気になったところを控えておいて、どこかにアウトプットする」というHACKもやろうというモチベーションが高まってきたので、気持ちが続く限り成果に結び付けられるようにバリバリアウトプットしていこうと思います。


ものすごく、個人的なメモなので、「本編の中でものすごく大事なもの」であっても、「オレもうすでにやってるよー」的なものはピックアップ対象になりませんので、あしからず。


気になったフレーズ&感想などなど

PLANNING HACKS! 09
電車でアイデア・メモを溜めていく(1DAY・1HACKのルール)

いろんな人が、いろんなシーンでやっているHACKを、とにかく蓄積していこうよ、という習慣化ですね。
この考え方の基本にあるのはやはり、「量は質に転化する」というところではないかと思います。
HACKそのものに対する感度を高めるトレーニングであり、そうして集まったものはいつかどこかで役立つかもしれず、また、集めていって自分の身になったHACKは、まさに、「量が質に転化」した物ではないかと思います。


知識という観点で、外の世界を眺めて気づいたことをメモることはありますが、HACK、つまり応用性のある「知恵」の観点でメモを取ることは、実はあまり習慣化されていないかもしれないです。


メモる先としては、外出が少ない仕事なので、デスクワーク中心の私にとって、Googleノートブックや、もっとカジュアルに、twitterを使うことが多いですね。twitterにメモると、それに反応してくれる人がいたりして、そこからさらにアイデアが膨らむ、ということもありますし。


たとえば、twitterの発言ログをためておいて振り返ると、発言傾向の分析、ブログのネタ起こしなど色々なことに役立てられるということで、保存するようにしているというHACK(やっている人多いよね)をtwitter上でつぶやくと、「24時間Tween上げっぱなしだ」とか「よろしい、ならば Loud Twitterだ」とか、「GoogleリーダーRSS拾えばー」とか、色々な話に発展するわけです。


というわけで、HACKっぽいものみつけたら、全力でtwitterに垂れ流そうと思いました。

PLANNING HACKS! 12
集中力は持続しない システムが集中力を生み出す


(注釈部)一見、環境整備というと集中する前の準備のことばかりだと思われがちだが、わたしが重視しているのは集中した後のこと。環境整備がしっかりできていると集中している時間が分断されず長続きする。


自分はテレビ見たりや読書している間は周りの音が一切聞こえなくなるので、結構集中力はあるほう、と、勝手に勘違いをしているのですが、それでもここのHACKは引っかかるものがありました。


たしかに、集中をするための準備もそうなんだけど、集中を途切れさせないための準備って重要だなーと。
人間の脳みそは、タスクを切り替えるのに結構時間がかかるとか。
集中しているときに人に話し掛けられたり、電話が鳴ったりして、別のことに頭を切り替えた後、元の作業に戻るには、かなり時間を浪費することになるという話を聞いたことがあります。ならば、外部要因はともかく、自分でできる対策は「必要なもの、必要な情報は、すぐに見つかるようにしておくこと」ですね。自分で自分のジャマをしてどーする、と。


と、同時に、「他人の集中の分断をしないように」と気を配ろうと思うわけですが、会社ってのは自重しないで動いたヤツが勝ちなんですよね。
これがいつも抱えている悩みだったりします。

PLANNING HACKS! 16
コネクティング・メモ術

「図を書くように記録する。言葉と言葉の関係を、線で繋ぐ(コネクトする)」ってことですね。
今では「マインドマップで書く議事録」なんてのをやる人もいるくらいですが、私はこれくらい緩いほうが好きです。


前職は会議術にこだわりのある会社だったので、フリップチャート+多色プロッキーを使い倒していたこともあり、このHACKはある結構慣れてます。今はフリップチャートを使えない環境ですが、個人的なノートや裏書メモには、細いプロッキー5色でバリバリ書いてます。

PLANNING HACKS! 19
発想しない会議の原因


要するに、会議を面白く充実させたければ、ポイントは2つ。「二段階抽出の原則に基づいて設計、進行を行うこと」と「会議の場に協働作業を埋め込むこと」に尽きます。

「二段階抽出」というのは、「1:Feel(感じ取る、事実を押さえる)」「2:Think(意味付けし、アイデアに転化する)」というものであって、これに基づいていない会議設計というのは、段取りなしでいきなり「何かいいアイデアありませんか?」と問い掛けるようなアレです。


「協働作業」は、その名のとおりであり、これがない会議というのは、一方通行の伝達、つまり報告会のような会議です。発想し、盛り上がる会議というのは、やはり「一緒に考え、一緒に作り上げる」と感じられる会議ですね。


経験上、新製品企画の会議じゃなくても、ふつーにふつーのシステム開発のための会議でも、こういった盛り上がる会議はできますよ。

PLANNING HACKS! 33
ミーシーとミッフィー(企画書作成のマイルール)

    1. 贅肉は限りなく削り落とし、シンプルにすること
    2. 色の数を多くせず、1ページには3色程度にとどめること。
    3. 絵や写真など視覚的にパッとつかめるものを入れ、誰にもわかる表現をすること。


ミーシーは、あの超有名なMECE、「もれなく、ダブりなく」なので、解説省略。論理的であれ、ということ。
ミッフィーは、著者の造語なんだけど、あのディック・ブルーナのミッフィーの絵本のように、シンプルで、少ない色数で、インパクトがあって、確実に伝わる表現をしなさい、ということ。論理面よりも、心情面に訴えるためのルールですね。


後者、結構難しい。

PLANNNING HACKS! 35
マトリックスの掛け算とネッティングで化学反応を引き起こす


゜゜┌┴o゜゜゜゜°マトリックス。ちがーう。顔文字辞書を入れるとこんなのが真っ先に出てくるようになってしまうので、ビジネス用途で使うPCにやたらに顔文字辞書を入れるのは自重しましょう。


マトリクス、つまり、表形式(主に二次元)で整理する組み合わせの整理。
ネッティング、ってのは、表形式以上の多次元な組み合わせを要する整理の図。
機械的に組み合わせのモレがなくなるように組み合わせることで、闇雲に考えたのでは思いつかなかったようなものを拾い出すこと。


コンサル時代が特にそうだったのですが、マトリクスはかなりの頻度で使います。
外部のアイデアマンと呼ばれる人やコンサルが、現場の人たちだけでは思いもつかなかったことを、突然出してくるように見えるのは、実は自分たちでも気づけるタネの組み合わせモレの部分から拾っているものが多かったりします。


前職の先輩は「世の中の事象はすべてマトリクスで表現できる」と言っていました。
ま、誇大表現ではありますが、それくらいのつもりでマトリクスを書くトレーニングをしろ、って事だったのでしょうね。

PLANNING HACKS! 38
キラー・インフォメーションを自覚する

つか、これ企画だけじゃなくて、プレゼン全体にいえること。
ただし、企画のときに、最初にこの「キラー・インフォメーション」になるものがあると、その後がすげーやりやすい。
逆に、これを押さえられるかどうかが、企画の成否に大きくかかってる、ってことを、もっと意識したほうがいいかもしれない。


ま、この本は、企画以外にも通用するHACKが結構まざっているので。

PLANNING HACKS! 46
秘密の暗号を走らせる

さらに、そのときひらめいたのは「なるほど共通言語って、笑いの要素を取り入れると伝達が早くなるかもしれない」ということ。

プロジェクトには、「積極的に面白おかしくする仕掛け」を用意するのが、結構重要だったりしますね。
ちょっとしたルールだったり、流行り言葉だったり。メンバーの口癖や、あるシーンでのインパクトのある発言を拾って、流行語にしてしまう、なんてのはお手軽で盛り上がりやすいです。
「おとなしいのに、実は面白いことを言う人」を発見できたり、「細かい発言を拾い上げるのが得意な人」が現れたり。


こういう「盛り上がりのためのHACK」こそ、集めやすいし、共有もしやすいHACKだと思います。
「チームビルディングHACKS」とか「チームビルディング勉強会」とかいって、こんな「一見くだらないけど、もりあがって、チームに一体感が生まれる」というネタを学びあう機会とか、あってもよくない?

PLANNING HACKS! 51
知識は教えない、ハックを教える


「そこ、教えちゃうか?」というリアクションと「それそれ、そこ教えないと」というリアクションに分かれそうな一節。
私は、最近後者寄りかなー。
いや、知識も教えますよ。とにかく、持っているものはすべて提供するつもりで。
といっても、部下らしい部下はいないので、対等なメンバーに、という視点ですが。


HACKを教えあう/教えあえる信頼感が醸成されているチームは、強いと思います。

PLANNING HACKS! 66
ちょっとしたサプライズを用意する

まあ、書いてある内容はなんてことない(といったら失礼)ですが、これが、ほんとに難しい。
サプライズを考えている余裕がないから、滅多にやらろうとしない。
滅多にやらないから、そのスキルも高まらない。
ってことで、このスキルを高めるの、凄く大変だと思います。
やる人、やられる人のキャラ次第で、同じネタでも効果がぜんぜん違ってしまいますし。
サプライズを埋め込める人、凄いと思います。

PLANNING HACKS! 68
企画書におけるパレートの法則


1つは、完成度を8割にして、2割は社内打ち合わせの議論の最中に埋めるというルール


第二の法則は、プレゼンテーションを意識したパレートです。どういうことかというと、プレゼンテーションで使う情報は2割、というルール。


これも、相当高等なテクだと思います。
コンサル時代にも先輩や上司に散々言われましたが、「本当に重要なことは2割」ってことを、相当意識していかないと、これらのルールは使いこなせないと思うし、実際に、今の自分では使いこなせません。


難易度的には
生み出さない<<<生み出す<<<<<<<<<<削る
ってことなんですね。


以上、気になってマーキングしたところを振り返って、それぞれに対する想いを書き連ねてみました。

最後に


その人その人の、本を読んだその時点の想いのスナップショットを残すって、それも大事なHACKだなーと思います。
あとで振り返って、「その考え方、ちげーよ、この若造(to自分)」って思い返すこともあるかもしれないし、それが、何かに躓いたときに、ロールバックすべきセーブポイントになるかもしれない。
セーブポイントが少なかったら、選びなおさなくてよい分岐点の前まで立ち返ってしまって、そこで間違った一歩を踏み出しかねないしね。


そんなわけで、ブログやらTwitterやらで、自分のスナップショットの断片を残していきたいなと思っているわけであります。

*1:「考具」とかも持ってますけど。